口腔粘膜の炎症によって、発症する。
口内炎として、口腔内炎症及び潰瘍は、軽傷でかつ限局的ですが、重症の場合や、広範囲の場合、並びに有痛性の場合もあるようです。
分類としては、
アフタ性口内炎(楕円形の偽膜性小潰瘍、潰瘍の周辺には炎症性発赤、浮腫を伴うもの。アフタの発症にはさまざまな原因が考えられていますが、大きな誘因は免疫力の低下と言われています。ブラッシングや、ビタミンB製剤内服が予防となる。)
カタル性口内炎(口の中の粘膜に赤い炎症や斑点、水泡、ひび割れなどの症状がみられる口内炎の一種。直接の原因となるのが、物理的な刺激や傷です。熱いものや刺激物の摂取を控え、抗生物質を含んだ口腔用の軟膏、殺菌錠やトローチなどを使用するようです)
潰瘍性口内炎(潰瘍はびらんより深い上皮下結合組織に及ぶ組織の欠損で、治癒後に瘢痕を残すのが特徴です。口腔粘膜の潰瘍は、難病の粘膜の類天疱瘡や、結核、らい、梅毒、カンジダ症、放線菌症など、膠原病の全身性エリテマトーデスなどでも起こる可能性がある。治療は、原因が明らかな場合には原因を除去する。原因不明の場合には対症療法を行う。)
壊疽性口内炎(ブドウ球菌、レンサ球菌、紡錘菌、スピロヘータ、嫌気性菌などの口腔常在菌が潰瘍面に二次感染して発症すると考えられているが、真の原因は不明である。治療は全身状態の回復のための補液と抗生物質の投与を行い、口腔内の清掃、消毒剤による含嗽を行う。)に分類される。
他に水疱性口内炎、びらん性口内炎などがある。
(チョコラ.com https://www.chocola.com/kounaien/symptom03/ )
また、抗がん剤や放射線治療併用時は高頻度に口内炎が発現する。
抗がん剤投与後、2~10日後に見られる。
抗がん剤使用時口内炎予防には以下の4つがよくいわれています。
1、口腔内の衛生管理(ブラッシング、イソジンガーグル)
2、硬いものや極端に熱い食事をさける。
3、クライオセラピーといい、抗悪性腫瘍薬(特に5ーFU)投与時に氷片を口に含む。冷却による血管収縮で口腔粘膜への抗悪性腫瘍薬の移行を減少させる。
4、アロプリノール含嗽(特に5ーFU)があるようです。
MASCC/ISOO がん治療に伴う粘膜障害に対するエビデンスに基づいた臨床診療ガイドライン 概要 2013 年 8 月 20 日作成(日本語訳 2013 年 9 月 30 日作成,2013 年 12 月 8 日一部修正) 2014 年 2 月 1 日一部改定(日本語訳 2014 年 2 月 12 日一部改定) 2014 年 11 月 7 日一部修正(日本語訳 2014 年 11 月 8 日一部修正)
このガイドラインの中で、医療機関でなくて各自でもできそうなことは、
望ましい介入として推奨 (Recommendation)するもの中では、
1.研究班は、5-フルオロウラシルの急速静注化学療法を受ける患者に対し、口腔粘膜障害の 予防 のため、30 分の口腔クライオセラピーを推奨する。
望ましい介入として提言 (Suggestion)するものの中では、
1.研究班は、全年齢層の、あらゆるがん治療を受ける患者に対し、口腔粘膜障害の予防 のため、口腔ケアを行うことを提言 する。
2.研究班は、造血幹細胞移植の前処置として、大量メルファラン投与(全身放射線照射の有無を問わない)を受ける患者に対し、口腔粘膜障害の予防 のため、口腔クライオセラピーを提言する。
7.研究班は、放射線治療または化学放射線治療を受ける口腔がん患者に対し、口腔粘膜障 害の予防のため、亜鉛サプリメントの経口全身投与の有用性を提言する。
上の4つが自分でもできそうなことです。
※MASCCについて
多国籍癌支援療法協会(MASCC)は、がんの病期に関係なく、がん患者の支持療法のあらゆる側面の研究と教育を専門とする国際的な学際的組織です。1990年に設立されたMASCCには、現在70か国以上のメンバーが参加しています。
支持療法はケアのすべての側面を網羅しているため、さまざまな分野と専門家が関与しています。メンバーシップは、医学、外科、および放射線腫瘍学者、看護師、歯科医、歯科衛生士、薬剤師、ソーシャルワーカー、栄養士、転帰の専門家、心理学者、統計学者、感染症の専門家、教育者、業界および非営利セクターの代表者、およびその他の支持療法。MASCCは非課税の501(c)3法人です。
1998年、MASCCは、癌とその治療に続発する口腔組織で発生する合併症の管理に取り組む組織である国際口腔腫瘍学会(ISOO)と協力しました。
となっているようです。
以上から抗がん剤治療をおこなっているときに、各自ができることは、クライオセラピー(5-FU、大量メルフェラン投与時)と、口腔ケア(うがいやブラッシング簡単なもの)と、亜鉛の服用が考えられそうです。
話はもどりますが、比較的一般的な口内炎はアフタ性口内炎です。ドラッグストアでも対応できそうなのがこの辺りになります。
市販薬や衛生商品を使い自分でもできる治療に、簡単な口腔ケア(うがいやブラッシング)があります。そしてビタミンB製剤や、亜鉛も服用ができそうです。また、アフタ性口内炎には、市販薬の副腎ステロイド(トリアムシノロンアセトニド)の局所塗布も可能です。市販薬を5日ほど使って良くならない場合は、医療機関にかかるようにした方がいいように考えます。
他の病気が隠れている場合がありますから、慎重に対応するのが望ましいように考えます。
※亜鉛服用は、抗がん剤使用時にも、望ましい介入として提言されていますが、下にもありますが、再発性アフタ性口内炎にも使用できそうです。
「再発性アフタ性口内炎患者の亜鉛欠乏:パイロット研究」
結果: 亜鉛欠乏症は、再発性アフタ性口内炎患者の28%と対照の4%で検出されました。患者群の平均血清亜鉛レベルは、対照群よりも有意に低かった。
結論: これらの結果は、亜鉛欠乏と再発性アフタ性口内炎の関連を示唆しています。
Ozler GS. Zinc deficiency in patients with recurrent aphthous stomatitis: a pilot study. J Laryngol Otol. 2014;128(6):531-533. doi:10.1017/S0022215114001078
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